2016年7月27日水曜日

情熱の赤い刺繍 イーラーショシュ

今朝、わたしは職場の休憩時間に
少しでも刺繍をしようと
やりかけの刺繍を探した。

出てきたのは
イーラーショシュ

トランシルヴァニアの
燃えるような赤い刺繍
密に密に
赤い太い糸を刺していく
図案が見えなくなるくらい
赤い色で埋め尽くす。
まるでタンゴを踊るかのように
情熱に埋め尽くされている。

カロタセグ地方のその刺繍は
太めのコットンの糸と
それが通る針が特徴。

おばあちゃんたちが
ホームスパンした生地に
自分たちで絵を描く。

まるでイーラーショシュを
した人の
その身体を流るる血液のように
ドクドクと生きていることを感じる
刺繍だ。
これほど、
情熱的な刺繍があるだろうか。

ときには
赤く
ときには
白く

ときには青く
黒く密なときもある。


ルーマニアの彼女が台北でのお土産に
えらんでくれた
野菜を入れておくバッグ。
なんとも色彩が美しく
わたしは、これを職場に
刺繍を入れていくバッグに決めた。

イーラーショシュを仕上げたい。
彼女からの発信を形にし
そして、そこへわたしの
オリジナリティを
加えていきたい。

わたしの情熱のまま。



実は、先日
障害のある方の刺繍作品を見に行き
そこでお話しをさせてもらった。
わたしも刺繍をしていると。。。
パワーをもらいに来たんだと。
わたしの刺繍を見てみたいと言ってくださり
お恥ずかしながら
携帯の中の拙い写真をいくつか
お見せできて
お話しをした。

その方と今日、また
出会うチャンスをいただき
『あのとき、作品に一目惚れしました』
そう言っていただけた。。そして。
『あれから、ファンなんです』
と、、、、

申し訳ない、、
なにも出来ていない自分を恥じる。

ファンだなんて言ってもらえるほど
なにも出来ていない。

でも、ルーマニアの彼女に会い
彼女の声にも励まされ
わたしは
少しずつ、個展に向けて動き出している。

休憩時間
少しの時間だが
針と糸を持つ自分が
誇らしげに感じた。

わたしが
一番
美しい女性になれる瞬間だと
思った。






この刺繍が仕上がれば
わたしは
トランシルヴァニアの
その伝統のように
クッションのカバーにしたいと
思っている。
縁を同じ糸で
編むのだ。
でも、自分らしさを
裏面に封じ込めようと思っている。

赤い情熱は
針と糸を通して
わたしを
動かす。

チクチクではない。
どっしりと
その生地に入り込む
太めの糸と針は
心の中に
赤い情熱を刻み込む。

わたしは
刺繍ができてよかった。

わたしには
刺繍が必要。

その刺繍は
型にはまったものはないけれど
その情熱だけは
誰にも負けないとさえ
思えてしまう。

あと少し。イーラーショシュ。
トランシルヴァニアの
カロタセグ地方の刺繍。

わたしをドキドキさせる刺繍。
そして
きっと
あなたのことも
ドキドキさせる刺繍であることには
間違いありません。

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